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2021年MWC上海展示会
最新市场调查:2021年03月02日发刊

 

MWC上海展示会は、202122325日の日程で開催されたが、今年の開催は、オンライン+オフラインの形で開催された。コロナの影響もあり、海外からの来訪もままならないままの開催であったが、出展社数は、昨年より約半数程度の減少にとどまった。2019年は500社あまり出展、今回は224社出展。実際に上海新国際博覧センターに集まった来場人数は2万人であったが、オンライン会場で発信された情報に対して、世界中からの多くのアクセスが集まり、多くの商談が成立した。オンラインによる展示会の可能性が示された。

2020年はニューインフラで大きく発展>

展示会の内容に関しては、コロナの経済対策の本丸として注目される『ニューインフラ』(“新基建”)への関心が集まった。特に、5Gにおいて中国が世界をリードして先行していることからも、中国政府としての注力度も高い。開幕式では、工信部で通信関連政策の責任者を務める刘烈宏副部長は、「2020年までの中国の5Gインフラ建設の実績は71.8万基に達し、世界のトップレベルとなった」ことを世界に向けてアピールした。特に、2020年のコロナ対策として、ニューインフラ政策を打ち出してから、2020年下期には1万基/週のハイペースで建設が加速したことで、2020年の年初に立てられた5060万基の目標を大きく上回る結果を達成することができている。また、スマートフォン端末に注目しても、2020年は大きな飛躍の年となった。現在、中国国内で販売されている5G対応端末は218機種にのぼり、台数にして2億台に達している。5G対応のスマホの価格は、安いものでは10002000元程度の製品も登場しており、2021年には、5Gが一気に当たり前になっていくことが予想されている。5Gの発展は、スマホ端末に留まらない。ミリ波、IoTデバイス、スマート家電、C-V2X、スマートシティでの利活用も今回の見どころとなった。

5Gスマホの高性能化と低価格化>

5Gミリ波ブースでは、主催側のGSMAGSM Association)を始め、China UnicomQualcommvivoなどを含む39社が共同でミリ波のコア技術や応用シーンを発表した。今回の発表会では、ミリ波に対応した据置型端末において、6.78Gbpsの超高速な通信速度を実現することが実演された。多くのメーカーでは、最先端技術を用いた製品を発表しているが、特に、注目は、OPPOは、フレキシブルディスプレイ+近距離ワイヤレス充電技術を発表した。既に、有線接続では125W20V/6.25A)の急速充電を実現しているが、ワイヤレス充電においても、65Wで急速充電が実用可能となっている。TCLは、傘下のディスプレイメーカーである華星光電の開発したフレキシブルディスプレイを活用した折りたたみタイプの関連製品を発表している。同社のフレキシブルディスプレイはMini-LED技術を採用する。LCDディスプレイのフレーム下部の幅はわずか2.4mmの狭ベゼルを実現している。Samsung El.の今回の注目展示は、自主開発の最先端プロセス(5nm)で製造されたチップセットのExynos 1080Exynos 2100である。Exynos 1080は、FHD144Hzリフレッシュレートに対応可能。Exynos 2100の高性能CPUコアは2.9GHz駆動のARM Cortex-X1プロセッサを搭載している。また、Huaweiは、スマートホームと称して、スマホ、PC、スマートウォッチ、AIスピーカーなど自社製品のエコシステムをアピール。HiLinkHarmonyOSHiCarなど独自技術の組み合わせよるスマートホームの姿を展示した。

<車載領域で普及が加速する5G

スマホ分野だけでなく、車載領域の展示にも注目が集まった。C-V2Xとしての展示は、AudiBMW5Gモジュールの搭載拡大について、将来的な5Gモジュールのコストダウン可能性について、既存課題や将来展望を発表した。自動車メーカーの立場からは、C-V2X向け5G通信で用いられる周波数帯の割当に関して、今後計画的に進める必要性があると認識しており、中国政府に対してもC-V2Xの促進、例えば匿名化したデータの共有や新技術評価体系の確保などを提言している。今後は、5G技術は、スマホでの普及を踏まえて、自動車分野での応用で一気に羽ばたいていくことが窺える展示や発表が多く見られた。

<次なる5Gの発展はVR/AR領域>

AR技術を展開するFinch Technologiesは、Finch Ringと呼ばれたジェスチャー識別機能を搭載した指輪型のウェアラブル機器を発表した。AR型眼鏡に合わせて手のジェスチャー識別や3DoF6DoFのジェスチャー追跡機能などを提供可能。それ以外に、PCのマウスとしても利用することができる。Finch Ringの厚さが35mm、幅が13mmで、重さが18gであるため、身体の一部として、違和感なく装着することができる。バッテリーは、連続4時間以上の利用が可能である。今後は、ARMが展示していた世界最小のマイクロカメラモジュールのような先端技術も含めて、AR/VR、目線追跡、ジェスチャー識別なども急速に発展していく可能性を感じることができた。

2021年の最注目は、スマートシティ>

最後に、スマートシティ関連でも注目アイテムが多く紹介されている。スタートアップ企業のOMNIFLOWが展示したスマート街灯では、電力を自己発電(風力発電)し、バッテリーに蓄えることができる。街灯にセンサーが組み込まれており、5G技術を組み合わせることで、交通の誘導や渋滞緩和などスマート交通への貢献にも使えるなど可能性が示された。スマート街灯の多機能化も非常に興味深く紹介されている。小型5G基地局の搭載、ドローンの充電スポットとしての活用など様々な新技術の搭載が可能である。その他にも、紫光展鋭が、スマートマンホールカバーでは、NBIoTで通信接続することで5年間以上利用可能である。